最新AD病態メカニズム

潜在的な障害 潜在的な障害

潜在的な障害

アトピー性皮膚炎では、非病変部にも炎症所見を認めることがあります。

遷延する潜在的な炎症により非病変部の皮膚も障害を受けている可能性があります。
あるいは、炎症所見を認めることがあります1-4

代表的な正常皮膚、アトピー性皮膚炎の非病変部皮膚、病変部皮膚の組織像(ヘマトキシリン・エオジン染色) 代表的な正常皮膚、アトピー性皮膚炎の非病変部皮膚、病変部皮膚の組織像(ヘマトキシリン・エオジン染色)

Suárez-Fariñas M, et al. Nonlesional atopic dermatitis skin is characterized by broad terminal differentiation defects and variable immune abnormalities. J Allergy Clin Immunol. 2011;127(4):954-964. © Elsevier Editeur. All rights reserved.

代表的な正常皮膚、アトピー性皮膚炎の非病変部皮膚、病変部皮膚の組織像(ヘマトキシリン・エオジン染色)。正常皮膚組織に対して非病変部組織は表皮の肥厚とT細胞や樹状細胞を含む炎症細胞の増加を認める。スケールバーは100μm。

これまでの研究により非病変部の皮膚にも病変部の皮膚と同様に下記のような所見が認められることが報告されています1,3,4
                   

  • 皮膚のバリア異常
  • 表皮の肥厚
  • 持続的な炎症

一部の患者では、皮膚バリアに関連するフィラグリン遺伝子の変異もしくは過剰なTh2型免疫反応、あるいはそれら両者の要因によって皮膚のバリア障害が生じ、以下の状態に至ります5,6

  • 皮膚バリア機能の低下
  • アレルゲンに対する感受性増大
  • 感染症増加

アトピー性皮膚炎患者の非病変部の皮膚は、組織的にアトピー性皮膚炎の病変部に認められる炎症所見を認めます3,4。非病変部の皮膚でも、T細胞の増加と表皮細胞の増殖がみられます4

表皮異常:

  • 正常な皮膚と比較して、アトピー性皮膚炎の病変部では表皮の肥厚が顕著ですが、非病変部においても肥厚を認めます。

  • Ki-67を指標とした表皮基底層細胞の増殖は正常皮膚に対し非病変部でも有意に増加していました4

表皮異常:

  • 正常な皮膚と比較して、非病変部の皮膚ではT細胞(CD3陽性)の浸潤が有意に増加していることが報告されています。(86%、P<0.001)4

  • 根底にある慢性的な炎症は、アトピー性皮膚炎の病変やそう痒の原因となります2-4。 アトピー性皮膚炎はTh2サイトカインであるIL-4およびIL-13が関与する慢性的な炎症性皮膚疾患です4。IL-4およびIL-13は皮膚病変のみならずそう痒にも関与することが報告されています2

1.正常皮膚(皮下組織)

再生時間 0'52"

アトピー性皮膚炎における慢性的な病変形成について解説します

References: 1. De Benedetto A, Rafaels NM, McGirt LY, et al. Tight junction defects in patients with atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol. 2011;127(3):773-786. 2. Gittler JK, Shemer A, Suárez-Fariñas M, et al. Progressive activation of Th2/Th22 cytokines and selective epidermal proteins characterizes acute and chronic atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol. 2012;130(6):1344-1354. 3. Leung DYM, Boguniewicz M, Howell MD, Nomura I, Hamid QA. New insights into atopic dermatitis. J Clin Invest. 2004;113(5):651-657. 4. Suárez-Fariñas M, Tintle SJ, Shemer A, et al. Nonlesional atopic dermatitis skin is characterized by broad terminal differentiation defects and variable immune abnormalities. J Allergy Clin Immunol. 2011;127(4):954-964. 5. Guttman-Yassky E, Suárez-Fariñas M, Chiricozzi A, et al. Broad defects in epidermal cornification in atopic dermatitis identified through genomic analysis. J Allergy Immunol. 2009;124(6):1235-1244. 6. Elias PM, Schmuth M. Abnormal skin barrier in the etiopathogenesis of atopic dermatitis. Curr Opin Allergy Clin Immunol. 2009;9(5):437-446.

SAJP.DUP.18.01.0069