アトピー性皮膚炎の評価スケール


EASI

EASIは世界的に頻用されているアトピー性皮膚炎評価指標の1つで、体全体の他覚的なアトピー性皮膚炎重症度を表します1、2)。乾癬の評価指標Psoriasis Area and Severity Index(PASI)の手法を修正して作成されており、アトピー性皮膚炎において重要な形態的変化の重症度とその広がりから、アトピー性皮膚炎重症度を簡便に評価します。
また、治療反応性の評価にも有効で、アトピー性皮膚炎の臨床試験のコア評価項目の統一を目的とした国際的なコンセンサス会議Harmonising Outcome Measures for Eczema(HOME)は、臨床試験における他覚所見の評価に、EASIを用いることを推奨しています3)

EASI解説動画

EASIスコア概説

再生時間:10分48秒

EASIスコアの概要、各部位でのスコアリング時の注意点を、実際の診療にお役立ていただけるよう、分かりやすく解説頂いております。

Diamant Thaçi先生

EASI (Eczema Area and Severity Index)スコア算出手順

1.身体部位を選択します。

4箇所の身体部位をそれぞれ評価します。

●頭頸部
●体幹(陰部を含む)
●上肢
●下肢(臀部を含む)

2.選択した身体部位における湿疹面積を評価します。

各身体部位において湿疹が占める割合は最大100%です。右の表を用い、各身体部位において湿疹が占める割合を0から6の範囲で評価します。厳密な測定の必要はありません。

湿疹面積 %

0

1-9%

10-29%

30-49%

50-69%

70-89%

90-100%

部位スコア

0

1

2

3

4

5

6

 

3.選択した身体部位における徴候4つの重症度をそれぞれ評価します。

各徴候の重症度を0から3の範囲で評価します。中間の値(1.5と2.5)は使用可能ですが0.5は用いません。もし何らかの徴候があれば最低スコアは1です。
●紅斑 ●浮腫/丘疹 ●掻破痕 ●苔癬化

なし 軽度 中等度 重度
0 1 2 3

 

4.評価した値を表に記録します。EASI最終スコアは0-72の範囲になります。

EASI-Japan/Japanese-Version of 14 Apr 7-Mapi.
ID058819/EASI_AU1.0_jpn-JP.doc / instrument controlled by Wiley
1) 日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会. 日皮会誌. 2016;126(2):121-155
2) Hanifin JM et al. Exp Dermatol 2001;10(1):11-18
3) Schmitt J et al. J Allergy Clin Immunol 2014;134(4):800-807
4) Leshem YA et al. Br J Dermatol 2015;172(5):1353-1357
5) Schram ME et al. Allergy 2012;67(1):99-106

EASI-50、EASI-75、EASI-90 達成イメージ


※こちらのイメージ写真は特定の治療による効果を示すものではありません。
写真提供:片岡葉子先生(大阪はびきの医療センター 皮膚科)

MAT-JP-2008525-1.0-12/2020