デュピクセントの特性


国際共同第Ⅲ相検証的試験 (ステロイド外用薬併用療法:CHRONOS)1,2⁾

1) 社内資料:国際共同第Ⅲ相ステロイド外用薬併用療法試験[R668-AD-1224] (承認時評価資料)
2) Blauvelt A et al. Lancet 2017;389:2287-2303
本試験はサノフィ株式会社及びRegeneron Pharmaceuticalsの資金提供により実施された。

目的

中等症から重症アトピー性皮膚炎の成人患者を対象に、デュピクセントとステロイド外用薬を併用した場合の長期有効性、長期安全性を評価する。

試験デザイン

国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間試験
 

対象

アトピー性皮膚炎歴3年以上、体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変の割合が10%以上、IGAスコア3以上、EASIスコア16以上、そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均が3点以上で、日本の分類でストロングクラス以上に相当するステロイド外用薬※1(必要に応じて外用カルシニューリン阻害薬を追加)の投与で効果不十分な18歳以上の中等症から重症の患者740例(300mg/2週群 106例、300mg/週群 319例、プラセボ群 315例)

※1:トリアムシノロンアセトニド0.1%クリーム、又はフルオシノロンアセトニド0.025%軟膏を推奨

【主な除外基準】
日本の分類でストロングクラス以上のステロイド外用薬で安全に治療できなかった薄い皮膚領域の病変が30%以上/4週間以内の免疫抑制(又は調節)薬・光線治療/一定期間以内のリツキシマブ及び他の細胞を枯渇させる薬剤、他の生物学的製剤の治療/12週間以内の生ワクチン接種/2週間以内の全身治療を要する慢性又は急性の感染症/HIV陽性/HBsAg・HBcAb・HCVAb陽性/寄生虫感染 等

投与方法

最長35日のスクリーニング期間中にアトピー性皮膚炎に対する主な治療を中止し、無作為化までの7日間以上、1日2回の保湿剤の塗布を行った。デュピクセントを初回600mg、以降300mgを2週に1回皮下投与する群(300mg/2週群)、デュピクセントを初回600mg、以降300mgを週に1回皮下投与する群(300mg/週群)※2、プラセボを週に1回皮下投与する群(プラセボ群)に1:3:3で割り付け、すべての患者に日本の分類でストロングクラスのステロイド外用薬※1を併用して、52週間治療し、その後12週間追跡した。

※2:国内未承認。以降は、承認を受けた用法・用量の成績のみを紹介している。
 

評価項目

【主要評価項目】 ・16週時点のEASI-75達成率(EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合)
・16週時点のIGA≦1達成率(IGAスコアが0又は1かつベースラインから2点以上減少を達成した患者の割合)

【主要な副次評価項目】 ・そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均(最大値は10)の以下の割合:ベースラインから16週時までの≧4点改善達成率、≧3点改善達成率
・52週時点における以下の項目の割合:IGA≦1達成率/EASI-75達成率
・そう痒NRSスコアの以下の割合:ベースラインから16週時への変化率/ ベースラインから52週時までの≧4点改善達成率、≧3点改善達成率/ベースラインから2、4、24週時までの≧4点改善達成率

【副次評価項目】 ・ベースラインから16週時へのそう痒NRSスコアの変化量
・ベースラインから16週時までの以下の項目の変化:EASIスコア変化率/BSA(体表面積に占めるアトピー性皮膚炎病変)変化量/SCORAD変化率/DLQI変化量/POEM変化量/HADS変化量/GISS変化率 ・52週時までの外用アトピー性皮膚炎治療無しの割合
・ベースラインから2週時までのそう痒NRSスコアの変化率
・ベースラインから52週時までの以下の項目の変化:EASIスコア変化率/BSA変化量/SCORAD変化率/GISS変化率/DLQI変化量/POEM変化量/HADS変化量
・16週時点、52週時点のEASI-50、EASI-90達成率(EASIスコアがベースラインから50%、90%以上改善した患者の割合) 等

【その他の有効性評価項目】16週時点の以下の項目の4点以上低下達成率:POEMスコア、DLQIスコア 等

【探索的バイオマーカー】TARC、IgE 等

解析計画

主要有効性解析は最大の解析対象集団(FAS)で行い、補助的な解析として治験実施計画書適合集団(PPS)でも行った。対象例数は、主要評価項目のプラセボとの差を十分な検出力で評価できるように設計した。主要評価項目は、無作為化に用いた層別因子(日本/その他の地域、及び疾患の重症度)で調整したCochran-Mantel-Haenszel検定を用いて解析した。本治験を中止した患者、救済治療が行われた患者、16週時にデータ欠測であった患者は、その時点でノンレスポンダーとして扱った。
有効性の副次評価項目の2値変数は主要評価項目と同様の方法で解析した。連続変数の評価項目は主要解析として多重代入(MI)法を用いて共分散分析(ANCOVA)モデルで解析した。救済治療後16週時までの患者の有効性データはまず欠測として取り扱い、次にMI法で補完した。主要な副次評価項目の解析では、serial gatekeeping法を用いて、2用法・用量に対する第一種の過誤を全体として0.05に制御した。各用法・用量内での各検定では、2つの主要評価項目がいずれも両側0.025の有意水準で有意であった場合、副次評価項目を事前に規定した順に階層検定手順に従って検定した。この方法で、直前の項目の解析において0.025の有意水準で統計的に有意であった場合に、次の副次評価項目について検定を行った。

6. 用法及び用量(抜粋)〈アトピー性皮膚炎〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

デュピクセントの臨床開発プログラム

デュピクセントの主要な臨床試験を以下に示します。


SOLO 1/2 :

外用薬では疾患のコントロールが十分でない、もしくは重要な副作用又は安全性リスクにより外用療法が推奨されない中等症から重症アトピー性皮膚炎患者を対象に実施した単独療法試験。


CHRONOS :

外用薬では疾患のコントロールが十分でない中等症から重症アトピー性皮膚炎患者を対象にステロイド外用薬と併用したデュピクセントの有効性及び安全性を評価する52週間投与の長期試験。


OLE :

先行試験に参加したか、SOLO 1/2でスクリーニングを行ったが無作為化の終了により無作為化できなかった患者を対象に長期安全性の評価及び有効性を検討する非盲検延長試験。


MAT-JP-2006597-1.0-11/2020